投げると肩が痛い。不安になる瞬間
ボールを投げたときに、
肩が痛くなる。
最初は少しの違和感でも、
投げるたびに気になるようになると、
不安が強くなっていきます。
「このまま投げていいのか」
「休んだ方がいいのか」
「フォームが悪いのか」
「肩を痛めてしまったのか」
そのように考えてしまうことも
あると思います。
特に、野球やソフトボールなど、
投げることが競技に関わる場合、
肩の痛みはとても気になる問題です。
痛みがあると、
思い切って投げることができなくなります。
投げる前から怖さが出たり、
投げた後に痛みが残るのではないかと
不安になったりすることもあります。
ただ、投げると肩が痛いからといって、
すぐに一つの原因だけで説明できるとは限りません。
大切なのは、
「どこが悪いのか」だけを急いで探すことではなく、
今の肩がどのような状態で投げているのかを
整理していくことです。
投球では肩に大きな負担がかかる
投げる動作は、
日常生活の肩の使い方とは少し違います。
腕を上げる。
後ろに引く。
そこから一気に前へ振る。
ボールを離した後も、
腕は強い勢いで動き続けます。
この一連の動きの中で、
肩には短い時間に大きな負担がかかります。
そのため、
普段の生活では痛くないのに、
投げると痛い。
軽く動かすだけなら大丈夫なのに、
強く投げると痛い。
キャッチボールはできるけれど、
全力投球になると痛い。
このようなことが起こる場合があります。
つまり、
「日常生活で痛くないから大丈夫」
とは言い切れないことがあります。
投球は、
肩にとって負担の大きい動きです。
だからこそ、
投げるときにだけ痛みが出る場合でも、
肩の状態を丁寧に見ていくことが大切になります。
痛みの場所だけでは判断しにくい
肩が痛いと、
まず気になるのは
「どこが痛いか」だと思います。
肩の前が痛い。
肩の後ろが痛い。
肩の奥が痛い。
腕の付け根が痛い。
投げるときだけ引っかかる。
このように、
痛みの場所や感じ方は人によって違います。
もちろん、
痛みの場所は大切な情報です。
ただ、
痛い場所だけで
肩の状態をすべて判断することは難しい場合があります。
例えば、
肩の前が痛いからといって、
必ずそこだけが原因とは限りません。
肩の後ろに張り感がある場合でも、
痛みの原因が後ろだけにあるとは限りません。
投球では、
肩だけでなく、
肩甲骨、体幹、肘、手首、下半身なども
関わりながら動きます。
そのため、
痛みが出ている場所は肩であっても、
そこに負担が集まりやすい状態になっている
という見方も必要になります。
「どこが痛いか」だけでなく、
「なぜそこに負担がかかっているのか」
を考えることが大切です。
投げるときの肩には「支え」が必要になる
これまでの記事でも、
肩は「支えの中で動く関節」として
整理してきました。
これは投球でも同じです。
肩は、
骨だけでしっかり安定している関節ではありません。
筋肉や腱、
関節の周りの組織、
肩甲骨や体幹の働きなどが関わりながら、
肩が無理のない位置で動けるように支えています。
投げる動作では、
この支えがとても重要になります。
腕を大きく振る中で、
肩が安定して動けていれば、
負担は分散されやすくなります。
一方で、
支えがうまく働きにくい状態では、
肩が不安定になったり、
一部に負担が集まりやすくなったりします。
その結果、
投げると痛い、
投げると怖い、
投げた後に違和感が残る、
ということにつながる場合があります。
投球時の肩の痛みを考えるときは、
単に「柔らかいか」「硬いか」だけではなく、
投げる動きの中で
肩が支えられているかを見ることが大切です。
このブログでは、
肩を「支えの中で動く関節」として整理しています。
関連記事:
支えるとは何か
柔らかい肩でも痛くなることがある
投球障害というと、
「肩が硬いから痛い」
と考えられることがあります。
もちろん、
肩まわりの硬さが
投球時の負担に関わることはあります。
特に、
投げる動作を繰り返す中で、
肩の後ろ側に張りや硬さが出ることもあります。
ただ、
肩が柔らかければ問題ない
というわけではありません。
柔らかく動く肩でも、
その動きを支える力が足りなかったり、
動きの中で肩の位置が安定しにくかったりすると、
痛みにつながることがあります。
反対に、
硬さだけを悪者にして、
無理に伸ばし続けることで、
かえって肩が不安定に感じることもあります。
大切なのは、
単純に柔らかくすることではありません。
投げる動きの中で、
肩が安心して動ける状態かどうか。
そこを見ていくことが大切です。
痛みが出るタイミングも大切な情報
投げると肩が痛いときは、
「いつ痛いのか」も大切です。
投げ始めから痛いのか。
投げている途中から痛くなるのか。
強く投げたときだけ痛いのか。
投げ終わった後に痛みが残るのか。
翌日に痛みが出るのか。
同じ「投げると痛い」でも、
痛みが出るタイミングによって、
肩の状態の見え方は変わります。
例えば、
投げ始めから強い痛みがある場合と、
投げているうちに徐々に重だるくなる場合では、
考えるべきことが少し違います。
また、
投げている最中は大丈夫でも、
投げ終わった後に痛みが残る場合には、
その日の負担が肩に残っている可能性もあります。
痛みの強さだけでなく、
痛みが出る場面、
残り方、
次の日への影響を含めて見ていくことが大切です。
関連記事:
投球後に肩が痛いときに考えたいこと
「投げ続けていいか」は一つの基準では決めにくい
肩が痛いときに一番迷うのは、
投げ続けていいのか、
休んだ方がいいのか、
ということだと思います。
これはとても大事な問題です。
ただ、
投げ続けるか、
完全に休むか、
その二択だけでは整理しにくいことがあります。
例えば、
全力投球は避ける。
距離を短くする。
球数を減らす。
痛みが出る動きを一時的に避ける。
投げた後の反応を見る。
このように、
「続ける」でも「休む」でもなく、
負担を調整するという考え方が必要になることがあります。
もちろん、
痛みが強い場合や、
投げるほど悪化している場合、
日常生活にも影響が出ている場合には、
無理に投げ続けない方がよいこともあります。
大切なのは、
痛みを我慢して投げることでも、
不安だけで完全に止めてしまうことでもありません。
今の肩の状態を見ながら、
どの負担を減らすべきか、
どこまでなら安心して動かせるかを
整理していくことです。
痛みが軽くなっても「治った」とは限らない
投球時の肩の痛みでは、
休むと痛みが軽くなることがあります。
投げなければ痛くない。
数日休むと楽になる。
キャッチボールを再開すると最初は大丈夫。
このようなことは少なくありません。
ただ、
痛みが軽くなったことと、
投げる準備が整ったことは
必ずしも同じではありません。
休んで痛みが落ち着いても、
投げる動きの中で肩を支える状態が
十分に戻っていない場合、
再開したときにまた痛みが出ることがあります。
そのため、
「痛みが消えたからすぐ全力で投げる」
という判断は注意が必要です。
痛みが軽くなった後こそ、
投げたときにどう反応するか、
翌日に痛みが残らないか、
怖さなく動かせるかを
確認していくことが大切です。
不安を無視して投げる必要はない
投げると肩が痛いとき、
本人はかなり不安を感じています。
でも、
周りから見ると、
「少し痛いだけでは」
「気にしすぎでは」
「投げながら治るのでは」
と思われることもあります。
その結果、
本人が痛みや不安を言い出しにくくなることがあります。
特に学生選手では、
試合に出たい気持ち、
チームに迷惑をかけたくない気持ち、
ポジションを失いたくない気持ちが重なります。
そのため、
痛みを我慢して投げ続けてしまうこともあります。
ですが、
肩の痛みや不安は、
無視してよいものではありません。
不安があるということは、
投げる動きの中で
どこかに怖さや違和感を感じているということです。
もちろん、
不安だけで全てを決める必要はありません。
ただ、
その不安をきっかけに、
今の肩の状態を整理することは大切です。
投球時の肩の痛みは「状態」として見る
投げると肩が痛いとき、
どうしても原因を一つに決めたくなります。
フォームが悪いのか。
肩が硬いのか。
筋力が足りないのか。
投げすぎなのか。
どこかが傷んでいるのか。
もちろん、
これらが関係していることもあります。
ただ、
投球時の肩の痛みは、
一つの原因だけで説明できないことも多いです。
肩の支え。
動きのタイミング。
疲労。
投球量。
体の使い方。
不安や力み。
これらが重なって、
投げるときの肩の状態が変わることがあります。
そのため、
「何が悪いか」を一つに決める前に、
今の肩がどのような状態で投げているのかを
整理することが大切です。
ここまでのまとめ
投げると肩が痛いときは、
痛みだけで判断するのではなく、
肩の状態を整理していくことが大切です。
特に、
・投球では肩に大きな負担がかかる
・痛みの場所だけでは判断しにくい
・肩は支えの中で動いている
・柔らかい肩でも痛くなることがある
・痛みが出るタイミングも大切
・投げ続けるか休むかの二択だけでは整理しにくい
・痛みが軽くなっても投げる準備が整ったとは限らない
・不安を無視して投げる必要はない
といった視点が大切になります。
投げると痛い肩を考えるときは、
「すぐに壊れている」と決めつける必要はありません。
一方で、
「少しくらい大丈夫」と
無理に投げ続けることも注意が必要です。
大切なのは、
今の肩がどのような状態で、
どの負担に反応しているのかを
少しずつ整理していくことです。
次の記事へ
今回は、
投げると肩が痛いときに
まず考えておきたいことを整理しました。
投球時の痛みでは、
投げている最中だけでなく、
投げた後に痛みが残ることもあります。
「投げた後に肩が痛い」
「翌日に重だるさが残る」
「休むと楽になるけれど、また投げると戻る」
このような場合、
投げたときの負担が
肩にどのように残っているかを
見ていくことが大切になります。
次の記事では、
投球後に肩が痛いときに考えたいこと
について整理していきます。

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