投球で肩を支えるとはどういうことか

投げると肩が痛い。

そのときに、
「肩を支える」
という言葉を聞くことがあります。

でも、肩を支えると言われても、
少し分かりにくいかもしれません。

肩を固めることなのか。
筋力を強くすることなのか。
インナーを鍛えることなのか。
肩甲骨を寄せることなのか。

いろいろなイメージがあると思います。

投球で大切なのは、
肩をただ固めることではありません。

大きく動く中で、
肩がうまく支えられ、
安心して腕を振れる状態にあることです。

この記事では、
投球で肩を支えるとはどういうことなのかを、
一般の方にも分かりやすいように整理していきます。

肩を支えることは、肩を固めることではない

肩を支えると聞くと、
肩に力を入れて固めることを
イメージするかもしれません。

しかし、投球では、
肩を固めすぎると、
かえって動きにくくなることがあります。

投球では、
腕を大きく引き、
しなやかに振り出し、
最後まで腕を振り切る必要があります。

つまり、
肩は大きく動く必要があります。

そのため、
投球で必要な支えは、
動きを止めるための支えではありません。

大きく動きながら、
肩に負担が集まりすぎないようにするための支えです。

肩を固めるのではなく、
動きの中で支えが働いていること。

ここが大切です。

肩は大きく動くからこそ支えが必要

肩は、体の中でも特に大きく動く関節です。

腕を上げる。
後ろに引く。
外へ開く。
内側へひねる。
強く振る。

投球では、
この大きな動きが一瞬の中で起こります。

肩が大きく動けることは、
投げるためにはとても大切です。

ただし、
大きく動けることと、
安心して投げられることは同じではありません。

可動域があっても、
その動きの中で肩がうまく支えられていなければ、
投げるたびに肩へ負担が集まりやすくなります。

反対に、
硬くして動きを止めればよいわけでもありません。

投球に必要なのは、
大きく動けることと、
その動きの中で支えが働くことの両方です。

関連記事:
投球障害と肩の不安定性について考えたいこと

肩の中で支えが働くとはどういうことか

投球中の肩では、
腕の骨が大きく動きます。

そのとき、
肩の関節の中で、
腕の骨が大きくずれすぎず、
動きの中で良い位置を保ちながら動くことが大切です。

専門的には、
肩の骨頭が関節の中で中心に保たれているか、
という見方をすることがあります。

ただ、一般的には、
「肩が動きの中でうまく支えられているか」
「安心して腕を振れる状態にあるか」
と考えると分かりやすいと思います。

肩の中の支えが働いていると、
腕を大きく振っても、
肩に余計な不安が出にくくなります。

反対に、
この支えがうまく働きにくいと、
投げるときに肩へ負担が集まりやすくなります。

痛み。
違和感。
抜けそうまではいかない不安感。
力が入りにくい感じ。
投げた後の重さ。

こうした形で出ることもあります。

インナーだけで支えているわけではない

肩を支えるというと、
インナーを鍛えることを思い浮かべる人も多いと思います。

もちろん、
肩の内側で支える筋肉の働きは大切です。

ただ、投球で肩を支えることは、
インナーだけで完結するものではありません。

肩甲骨。
体幹。
下半身。
投球量。
疲労。
フォーム。

こうした要素も、
肩の支えに関係します。

たとえば、
下半身や体幹から力を伝えにくい状態では、
肩や腕だけで頑張って投げる形になりやすくなります。

肩甲骨まわりがうまく働きにくい場合も、
肩の支えが崩れやすくなることがあります。

つまり、
肩を支えるというのは、
肩の筋肉だけを強くすることではありません。

体全体の中で、
肩が安心して動ける状態を作ることです。

下半身や体幹も肩の支えに関係する

投球では、
下半身で作った力を、
体幹を通して、
肩や腕へ伝えていきます。

この流れがうまくいっていると、
肩だけに負担が集まりにくくなります。

反対に、
下半身が使いにくい。
体幹がうまく回らない。
タイミングが合わない。
腕だけで投げているように見える。

このような状態では、
肩や腕に負担が集まりやすくなります。

特に成長期では、
身長が伸びる時期に、
下半身や体幹が硬く感じられたり、
以前と同じように体を使いにくくなったりすることがあります。

その結果、
体全体で力を伝えにくくなり、
肩への負担が増えることもあります。

肩の痛みを考えるときに、
肩だけを見ていては分かりにくい理由はここにあります。

関連記事:
成長期で肩が痛いときに考えたいこと

支えがあると、安心して腕を振りやすい

肩の支えがうまく働いていると、
投げるときに余計な不安が出にくくなります。

腕を振るのが怖くない。
投げた後に痛みが残りにくい。
力みすぎずに投げられる。
肩だけで頑張っている感じが少ない。
繰り返し投げても不安が強くなりにくい。

このような状態に近づいていくことが、
投球では大切です。

もちろん、
痛みが完全になくなればすぐ大丈夫、
というわけではありません。

痛みが軽くなっても、
投げると怖い。
強く投げると不安がある。
翌日に痛みが残る。
投球数が増えると肩が重くなる。

このような場合は、
まだ肩の支えが十分に戻っていない可能性があります。

投球では、
痛みだけでなく、
安心して腕を振れるかどうかも大切な視点です。

支えが弱いと、力みにつながることがある

肩の支えがうまく働きにくいと、
体は無意識に力を入れて守ろうとすることがあります。

肩に力が入る。
首や肩まわりが硬くなる。
腕だけで投げようとする。
投げる前に不安が強くなる。
フォームがぎこちなくなる。

このような状態では、
肩を守ろうとしているつもりでも、
かえって動きが硬くなり、
肩に負担が集まりやすくなることがあります。

支えがある状態とは、
力を入れて固めている状態ではありません。

必要なところが働き、
余計な力みが少なく、
安心して腕を振れる状態です。

肩を支えることと、
肩に力を入れることは違います。

この違いを整理しておくことが大切です。

支えが戻っているかは、投げた後の反応で見る

肩の支えがうまく働いているかどうかは、
投げている瞬間だけでは分かりにくいことがあります。

そのため、
投げた後の反応を見ることが大切です。

投げた後に痛みが残る。
翌日まで肩が重い。
投球数が増えると不安が強くなる。
強く投げるほど痛みが出る。
以前より回復に時間がかかる。

このような変化がある場合、
投げる動きの中で、
肩に負担が集まりすぎている可能性があります。

投げられるかどうかだけでなく、
投げた後に肩がどう反応しているか。

ここを見ることで、
肩が安心して腕を振れる状態に近づいているかを
考えやすくなります。

関連記事:
投球後に肩が痛いときに考えたいこと

休んだ後も支えを確認することが大切

肩が痛いとき、
休むことは大切です。

痛みが強いときや、
投げた後に痛みが残るとき、
日常生活にも影響があるときは、
無理に投げ続けない方がよいことがあります。

ただ、
休んで痛みが軽くなったからといって、
投球で必要な支えが十分に戻っているとは限りません。

休むことで痛みは落ち着く。
でも、投げ始めるとまた痛くなる。

このような場合、
痛みそのものだけでなく、
投球動作の中で肩がうまく支えられているかを
考える必要があります。

復帰を考えるときは、
痛みがあるかどうかだけでなく、
安心して腕を振れるか。
投げた後に痛みが残らないか。
翌日に悪化しないか。
少しずつ強度を上げても反応が悪くならないか。

こうした点を見ながら進めることが大切です。

関連記事:
投げると肩が痛いときは休むべき?迷うときに考えたいこと

ここまでのまとめ

投球で肩を支えるとは、
肩を固めることではありません。

大きく動く中で、
肩がうまく支えられ、
安心して腕を振れる状態にあることです。

肩の支えは、
肩の筋肉だけで作られるものではありません。

肩の内側の支え。
肩甲骨の働き。
体幹や下半身の使い方。
投球量や疲労。
成長期の体の変化。

こうしたものが関係します。

投球障害肩では、
痛みをなくすことだけでなく、
安心して投げられる状態に近づいているかを見ることが大切です。

そのためには、
投げている瞬間だけでなく、
投げた後の反応や翌日の状態も含めて、
肩の状態を整理していく必要があります。

肩を支えることは、
力を入れて固めることではありません。

動きの中で支えが働き、
安心して腕を振れる状態を作っていくことです。

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次の記事では、
投球中に肩の支えが崩れるとはどういうことなのかを整理していきます。

肩の支えが崩れると、
痛みや違和感、力み、投げにくさにつながることがあります。

その状態をどう捉えればよいのかを考えていきます。

▶次の記事:
投球中に肩の支えが崩れるとはどういうことなのか

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