フォームと肩の痛みをどう考えるか

フォームが悪いから痛いのか。不安になる瞬間

投げると肩が痛い。

投げた後に肩が重い。

全力で投げると違和感がある。

このような状態が続くと、
「フォームが悪いのではないか」
と考えることがあります。

指導者から、
「投げ方が悪い」
と言われることもあるかもしれません。

自分でも、
動画を見返して、
肘の位置、
肩の開き、
腕の振り、
体の使い方が気になることがあります。

もちろん、
投球フォームは肩の負担に関係します。

投げ方によって、
肩に負担が集まりやすくなることはあります。

ただ、
肩が痛い原因を
「フォームが悪いから」
だけで考えてしまうと、
かえって状態が分かりにくくなることがあります。

大切なのは、
フォームだけを直そうとすることではなく、
今の肩がどのような状態で投げているのかを
一緒に見ていくことです。


フォームは肩への負担に関係する

投球フォームは、
肩への負担に関係します。

投げる動作では、
下半身、体幹、肩甲骨、肩、肘、手首が
つながりながら動きます。

その中で、
どこかの動きが使いにくいと、
肩に負担が集まりやすくなることがあります。

例えば、

・腕だけで投げている
・肩に力が入りすぎる
・体が早く開く
・下半身からの力が伝わりにくい
・投げ終わりで腕を止めるようになる

このような場合、
肩に負担がかかりやすくなることがあります。

そのため、
投球時の肩の痛みを考えるときに、
フォームを見ることは大切です。

ただし、
ここで注意したいのは、
フォームの見た目だけで
肩の状態をすべて判断しないことです。


見た目のフォームだけでは分からないことがある

投球フォームは、
動画で確認することができます。

腕の角度。

肘の高さ。

肩の開き。

足の着き方。

体の傾き。

こうした見た目の情報は、
とても大切です。

ただ、
見た目のフォームが似ていても、
肩にかかっている負担が
同じとは限りません。

同じように腕を振っていても、
肩が安定して動いている人もいれば、
肩の支えが保ちにくい状態で
投げている人もいます。

また、
見た目には大きな問題がないように見えても、
本人の中では、
肩の奥に違和感があったり、
投げ終わった後に重さが残ったりすることもあります。

反対に、
少し特徴的なフォームでも、
本人の体に合っていて、
肩への負担が少ない場合もあります。

そのため、
フォームを見るときは、
見た目の良し悪しだけでなく、
そのフォームで肩がどのように反応しているかを
あわせて考えることが大切です。


肩の状態がフォームに影響することもある

フォームが悪いから肩が痛い。

この考え方は分かりやすいです。

ですが、
実際にはその逆もあります。

肩の状態が悪くなっているから、
フォームが崩れて見えることがあります。

例えば、
肩に痛みや違和感があると、
無意識にかばって投げることがあります。

肩をかばうと、
腕の振りが小さくなったり、
体が早く開いたり、
リリースの位置が変わったりすることがあります。

また、
肩に不安があると、
強く投げることが怖くなり、
力みが増えることもあります。

この場合、
見えているフォームの乱れは、
原因というより、
肩の状態をかばった結果として
出ている可能性があります。

そのため、
フォームだけを直そうとしても、
肩の痛みが変わらないことがあります。

フォームを見るときは、
「フォームが悪いから痛い」だけでなく、
「肩の状態がフォームに影響していないか」
という視点も大切です。


肩は支えられた状態で動く必要がある

投球では、
腕を大きく速く動かします。

その中で、
肩は自由に動くだけではなく、
安定した位置で支えられながら
動く必要があります。

これまでの記事でも、
肩は「支えの中で動く関節」として
整理してきました。

投球フォームを考えるときも、
この視点は大切です。

見た目として腕が振れていても、
肩が支えられていない状態では、
投げるたびに一部へ負担が集まりやすくなります。

反対に、
大きく派手なフォームでなくても、
肩が比較的安定した位置で動けていれば、
負担が分散されやすいことがあります。

つまり、
フォームを見るときは、
「きれいに見えるか」だけではなく、
「肩が安心して動ける状態か」
を考えることが大切です。

投球フォームは、
形だけではなく、
肩が支えられているかどうかと
一緒に見ていく必要があります。

肩の「支え」については、
こちらの記事でも整理しています。

関連記事:
支えるとは何かを整理します


フォームを直そうとして力みが増えることもある

肩が痛いと、
フォームを直そうとして
意識することが増えます。

肘を上げよう。

肩を開かないようにしよう。

腕をしならせよう。

体を使って投げよう。

このように、
いろいろ考えながら投げることがあります。

もちろん、
フォームを見直すこと自体は大切です。

ただ、
意識することが増えすぎると、
かえって力みが強くなることがあります。

力みが強くなると、
肩まわりの動きが硬くなり、
スムーズに腕が振れなくなることがあります。

その結果、
フォームを良くしようとしているのに、
肩の痛みや違和感が増えることもあります。

特に、
痛みがある状態で
無理にフォームだけを変えようとすると、
体が警戒しながら動くため、
自然な動きが出にくくなります。

フォーム修正は、
形を無理に変えることではありません。

肩が安心して動ける範囲の中で、
少しずつ動きやすい投げ方を探していくことが大切です。


肩だけでなく体全体の流れを見る

投球時の肩の痛みを考えるとき、
肩だけを見ると分かりにくいことがあります。

投げる動作は、
肩だけで行っているわけではありません。

下半身で作った力が、
体幹を通って、
肩甲骨、肩、肘、手首へと伝わっていきます。

この流れのどこかがうまくつながりにくいと、
肩が余分に頑張らなければいけないことがあります。

例えば、
下半身が使いにくいと、
腕だけで投げようとしやすくなります。

体幹の動きが使いにくいと、
肩で無理に投げようとすることがあります。

肩甲骨まわりが働きにくいと、
肩が安定しにくいまま腕を振ることがあります。

そのため、
肩が痛いときほど、
肩だけでなく、
投球動作全体の流れを見ることが大切です。

また、
肩の痛みがあると、
フォームそのものを直そうとすることに
意識が向きやすくなります。

ですが、
肩だけでなく、
下半身や体幹、
肩甲骨まわりの働きが変わることで、
投げ方が自然に変化していくこともあります。

つまり、
フォームは無理に形だけを変えるものではなく、
体が投げやすい状態に近づくことで、
結果として変わってくる場合もあります。

ただし、
難しく考えすぎる必要はありません。

まずは、
肩だけに負担が集まっていないか、
投げた後に肩だけが強く疲れていないか、
という視点からでも十分です。


フォーム修正だけで痛みが解決しないこともある

肩が痛いとき、
フォームを変えれば良くなるのではないかと
考えることがあります。

確かに、
フォームを見直すことで
肩への負担が減る場合はあります。

しかし、
フォーム修正だけで
すべての肩の痛みが解決するわけではありません。

肩の支えが崩れやすい状態。

疲労がたまっている状態。

痛みをかばっている状態。

投球量が多すぎる状態。

休んでもすぐ再開してしまう状態。

こうした要素がある場合、
フォームだけを変えても、
肩の痛みが残ることがあります。

また、
肩の状態が整っていないままフォームだけを変えると、
別の部分に負担が移ることもあります。

そのため、
フォームを見直すことは大切ですが、
同時に、
今の肩が投げる負担に対応できる状態かどうかも
見ていく必要があります。


フォームを見るときは肩の反応も一緒に見る

フォームを見直すときは、
動きの形だけでなく、
その後の肩の反応も大切です。

フォームを変えたあと、
肩の痛みはどうなったか。

投げやすさは変わったか。

投げ終わった後の重さは減ったか。

翌日に痛みは残らないか。

怖さなく腕を振れるか。

このような反応を見ることで、
その投げ方が今の肩に合っているかを
考えやすくなります。

見た目には良くなっていても、
本人の肩が痛くなるなら、
そのフォームは今の状態に合っていない可能性があります。

反対に、
大きく見た目が変わっていなくても、
投げた後の痛みや不安が減るなら、
肩にとっては良い変化かもしれません。

フォームを見るときは、
「きれいに見えるか」だけではなく、
「そのフォームで肩がどう反応するか」
を一緒に見ることが大切です。


フォームは原因ではなく「状態の表れ」として見る

フォームは、
肩の痛みを考えるうえで大切な情報です。

ただ、
フォームそのものを
すぐに原因と決めつける必要はありません。

フォームには、
体の使い方だけでなく、
肩の状態、
疲労、
痛みへの不安、
投球量、
力みなどが表れることがあります。

つまり、
フォームは原因であることもありますが、
今の状態が表に出た結果であることもあります。

そのため、
投球時の肩の痛みを考えるときは、
「フォームが悪いから痛い」
だけではなく、
「なぜそのフォームになっているのか」
を考えることが大切です。

その視点を持つと、
フォームを見ることが、
単なる形のチェックではなく、
肩の状態を整理する手がかりになります。


ここまでのまとめ

フォームと肩の痛みを考えるときは、
フォームだけを原因として決めつけないことが大切です。

特に、

・フォームは肩への負担に関係する
・見た目のフォームだけでは分からないことがある
・肩の状態がフォームに影響することもある
・肩は支えられた状態で動く必要がある
・フォーム修正で力みが増えることもある
・肩だけでなく体全体の流れを見る
・体の機能が変わることでフォームが自然に変わることもある
・フォーム修正だけで痛みが解決しないこともある
・フォームを見るときは肩の反応も一緒に見る

といった視点が大切になります。

フォームは、
肩の痛みを考えるうえで
とても大切な情報です。

しかし、
フォームだけを見て、
「これが原因」
と決めつけると、
肩の状態そのものを見落としてしまうことがあります。

大切なのは、
フォームを直すことだけではなく、
そのフォームの中で
肩がどのように支えられ、
どのように反応しているかを
整理していくことです。


次の記事へ

今回は、
フォームと肩の痛みを
どう考えるかについて整理しました。

投球では、
フォームだけでなく、
球速や強く投げることへの意識も
肩への負担に関係します。

速い球を投げたい。

強く投げたい。

でも、肩が痛い。

このようなとき、
球速と肩の状態を
どのように考えればよいのでしょうか。

次の記事では、
球速と肩の痛みをどう考えるか
について整理していきます。

▶次の記事はこちら

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