投球障害と肩後方の硬さについて考えたいこと

投げると肩が痛い。

そのときに、
「肩の後ろが硬い」
「後方が硬い」
「内旋が硬い」
と言われることがあります。

肩の後ろの硬さは、
投球障害肩を考えるうえで大切な視点の一つです。

ただ、
肩の後ろが硬いから、
そこを伸ばせばよい、
と単純に考えられないこともあります。

大切なのは、
肩の後ろが硬いかどうかだけではありません。

なぜそこが硬くなっているのか。
投げる動きの中で、肩がうまく支えられているか。
肩が安心して腕を振れる状態にあるか。

こうした視点で整理することが大切です。

この記事では、
投球障害と肩後方の硬さについて、
一般の方にも分かりやすいように整理していきます。

肩後方の硬さとは何か

肩後方の硬さとは、
簡単に言えば、
肩の後ろ側の組織が硬くなり、
肩の動きに影響している状態です。

投球をしている選手では、
投げる側の肩で、
内側へひねる可動域が少なくなることがあります。

専門的には、
肩の内旋制限や、
後方タイトネスと呼ばれることもあります。

ただ、一般の方には、
「肩の後ろが硬くなって、肩の動きに偏りが出ている状態」
と考えると分かりやすいと思います。

肩の後ろの硬さは、
投球動作の中で肩への負担に関係することがあります。

そのため、
投球障害肩を考えるときには、
大切な視点の一つになります。

肩の後ろが硬いと投球に影響することがある

投球では、
肩が大きく動きます。

腕を後ろに引く。
肩を外へ開く。
腕を強く振り出す。
ボールを離す。
投げ終わった後に腕を止める。

この一連の動きの中で、
肩の後ろ側にも負担がかかります。

肩の後ろが硬くなると、
肩の動きに偏りが出ることがあります。

腕を振り出すときに詰まる。
投げ終わりで肩が重くなる。
肩の奥に違和感がある。
強く投げると痛みが出る。
投球後に肩の後ろが張る。

このような状態につながることがあります。

ただし、
肩の後ろが硬いから必ず痛い、
というわけではありません。

また、
肩の後ろを伸ばせばすべて解決する、
というわけでもありません。

肩後方の硬さは、
投球動作全体の中でどう影響しているかを
見ることが大切です。

関連記事:
投球障害と肩の可動域について考えたいこと

肩後方の硬さは結果として出ていることもある

肩の後ろが硬いと、
そこを伸ばしたくなると思います。

もちろん、
必要な可動域を整えるために、
ストレッチが大切な場合もあります。

ただ、
肩後方の硬さを考えるときには、
なぜそこが硬くなっているのかを見ることも大切です。

投げる動きの中で肩の支えがうまく働きにくいと、
肩まわりに余計な力が入り、
守るように緊張することがあります。

その結果、
肩の後ろが硬く感じられたり、
動きにくくなったりすることがあります。

このような場合、
肩の後ろの硬さは、
単なる柔軟性の問題ではなく、
肩が安心して動けていないことの表れとして出ている可能性もあります。

だからこそ、
硬い部分を伸ばすだけでなく、
肩が投げる動きの中でうまく支えられているかを
一緒に見ることが大切です。

肩の後ろを伸ばしても痛みが変わらないことがある

肩の後ろが硬いと言われると、
ストレッチを続けることがあります。

それ自体は大切な取り組みです。

ただ、
肩の後ろを伸ばしているのに痛みが変わらない。
ストレッチをすると一時的に楽になるが、投げるとまた痛い。
可動域は少し良くなったのに、強く投げると不安がある。

このようなこともあります。

これは、
ストレッチに意味がないということではありません。

ただ、
投球障害肩では、
硬さだけを見ていても状態を捉えきれないことがあります。

肩の後ろの硬さがあるとしても、
その背景に、
肩の支えの崩れや、
体全体で力を伝えにくい状態がある場合、
ストレッチだけでは投球時の負担が残ることがあります。

大切なのは、
可動域を整えることと、
投げる動きの中で肩が支えられているかを見ることです。

肩後方の硬さと肩の支えは関係する

肩の後ろが硬くなると、
肩の骨が関節の中で良い位置を保ちながら動きにくくなることがあります。

投球では、
肩が大きく動きます。

その大きな動きの中で、
肩の骨が大きくずれすぎず、
良い位置を保ちながら動けることが大切です。

肩後方の硬さが強い場合、
その動きに偏りが出て、
肩の支えが崩れやすくなることがあります。

反対に、
肩の支えがうまく働きにくいことで、
肩まわりに余計な緊張が生じ、
後方の硬さとして感じられることもあります。

つまり、
肩後方の硬さと肩の支えは、
別々の問題としてではなく、
つながった問題として見ることが大切です。

関連記事:
投球で肩を支えるとはどういうことか

内旋制限だけで判断しすぎない

肩後方の硬さを見るとき、
肩の内旋可動域を確認することがあります。

投げる側の肩で、
内旋が少ない。
反対側より動きが硬い。
肩の後ろが張る。

このような状態が見つかることがあります。

内旋制限は、
投球障害肩を考えるうえで大切な情報です。

ただし、
内旋が硬いから必ず悪い、
内旋が改善すれば必ず痛みがなくなる、
というわけではありません。

投球を続けている選手では、
投げる側の肩に特徴的な変化が見られることがあります。

大切なのは、
内旋制限があるかどうかだけでなく、
それが投球時の痛みや不安、投球後の反応と
どう関係しているかを見ることです。

可動域の数値だけで判断するのではなく、
投げる動き全体の中で整理することが大切です。

肩後方の硬さは投げた後の反応にも表れる

肩後方の硬さが問題になっているかどうかは、
その場の可動域だけでは分かりにくいことがあります。

投げた後の反応も大切です。

投げた後に肩の後ろが張る。
翌日に肩が重い。
強く投げた後に奥の痛みが出る。
球数が増えると肩が詰まる感じがある。
休むと楽になるが、投げるとまた戻る。

このような場合、
投球動作の中で肩に負担が集まっている可能性があります。

肩後方の硬さが原因として関係しているのか。
支えが働きにくい結果として硬さが出ているのか。
疲労によって緊張が強くなっているのか。

こうしたことを考えるうえで、
投げた後の反応は大切な情報になります。

投球障害肩では、
投げている瞬間だけでなく、
投げた後や翌日の状態も含めて見ることが大切です。

関連記事:
投球後に肩が痛いときに考えたいこと

休んだ後も肩後方の状態を見ることが大切

肩の痛みがあるとき、
一度投球を休むことで症状が軽くなることがあります。

それ自体は大切なことです。

ただ、
休んでいる間に痛みが落ち着いても、
投げる動きの中で肩への負担が減っているとは限りません。

軽く投げると大丈夫。
でも、強く投げると痛い。
球数が増えると肩の後ろが張る。
投げた後に重さが残る。
翌日に違和感が戻る。

このような場合、
投球に必要な状態がまだ十分ではない可能性があります。

肩後方の硬さを考えるときも、
痛みがなくなったかどうかだけでなく、
投げたときに肩がどう反応するかを見ることが大切です。

安心して腕を振れるか。
投げた後に痛みや張りが残らないか。
翌日に悪化しないか。
強度を上げても不安が出ないか。

こうした点を見ながら、
少しずつ投球を戻していくことが大切です。

関連記事:
投げると肩が痛いときは休むべき?迷うときに考えたいこと

肩後方の硬さを考えるときに大切なこと

投球障害肩で肩後方の硬さを考えるとき、
大切なのは、
硬いかどうかだけで判断しないことです。

肩の後ろが硬い場合、
投球動作の中で無理が出やすくなることがあります。

ただし、
その硬さは、
単なる柔軟性の問題ではなく、
肩が安心して動けていないことの表れとして出ている場合もあります。

硬い部分を伸ばすことが必要な場合もあります。

でも、
なぜそこが硬くなっているのかを考えることも大切です。

肩の支えがうまく働いているか。
肩の骨が良い位置を保ちながら動けているか。
余計な力みで守るように緊張していないか。
投げた後に張りや重さが残っていないか。

こうした視点で整理することが大切です。

ここまでのまとめ

投球障害肩を考えるうえで、
肩後方の硬さは大切な視点です。

肩の後ろが硬くなると、
投球動作の中で肩に負担が集まりやすくなることがあります。

ただし、
肩後方の硬さは、
硬いところを伸ばせばよい、
という単純な話ではありません。

大切なのは、
なぜそこが硬くなっているのかを考えることです。

肩の支えがうまく働きにくいことで、
肩まわりに余計な力が入り、
硬さとして表れている場合もあります。

投球障害肩では、
肩の後ろの可動域だけでなく、
その硬さが投球の中でどう関係しているかを見ることが大切です。

痛みをなくすことだけでなく、
安心して腕を振れる状態に近づいているか。

そこを見ていくことが大切だと思います。

次の記事へ

次の記事では、
投球障害と肩甲骨の動きについて整理していきます。

肩甲骨は、
肩を大きく動かすためにも、
肩を支えるためにも大切です。

投球時の肩の痛みと肩甲骨の関係を、
一般の方にも分かりやすいように考えていきます。

次の記事:
投球障害と肩甲骨の動きについて考えたいこと

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